知っておくべき高齢者が感染症にかかりやすい理由と発症時のリスク

まず、感染症には、「内因性感染」「外因性感染」の2種類あります。内因性感染とは、皮膚にある常在菌や腸内細菌など、元々自分が持っている細菌によって引き起こされる感染症であり、免疫機能がしっかりと働いていると発症することは稀です。もう1つの外因性感染は、接触感染・飛沫感染・空気感染という3つの感染経路によって病原体が体に入り込み発症する感染症で、年齢関係なく若者でも感染してしまいます。

つまり、免疫機能が老化によって低下している高齢者は、この2種類の感染症を発症する危険にさらされており、かかりやすいということになるのです。

また、高齢者は免疫機能が下がり抵抗力が低下しているため、感染症に一度かかるとなかなか症状が良くならず長引いたり重症化しやすくなります。例えばインフルエンザに罹った場合、高熱で体力を奪われるだけではなく、危険な肺炎や気管支炎といった合併症を引き起こし、呼吸困難によって死亡するリスクも高まってしまいます。

もし高齢者を家族に持つ人が、感染症を発症してしまったり、感染しているかもしれない状況になったら、うつしてしまうことのないように対策をしましょう。部屋を分け、部屋の湿度は40%以上を保ち、こまめに換気をすることの他、マスクの着用や手洗いの徹底、共有部分の消毒や、ごみから病原体が飛散することがないように密閉して捨てるなどが有効な対策方法です。

また、高齢者自身も感染を恐れて外に出ないのではなく、適切な運動や良質な睡眠、バランスの取れた適量の食事は免疫力の低下を遅くしてくれるため、おすすめです。免疫力の低下を少しでも抑えながら、感染症対策をしっかりとして予防することが大切です。